わたしは学生の頃から理系科目が得意だったこともあり
漠然と医療のお仕事に就くことを目指していて
なんとなく、将来は医療の仕事をするんだろうなという未来図も描いていました。

人のためにもなるし、自分の健康維持にも役立つし、お給料も良さそうだし
医療の仕事を選んでおけばまず間違いないなと。

医療の仕事のイメージと実際

医療のお仕事って、職種の差はあれど
一般的に、外側の人からは

  • 人に感謝される素晴らしい仕事
  • 専門知識を駆使した、頭の良い人しかなれないハイクラスな仕事
  • 高給
  • 清潔な職場
  • 勉強の日々で、向上心溢れる頭の良い人が多い

という
クリーンで高尚なイメージが定着しているのではないでしょうか。

実際に働いて感じたギャップ

しかし、わたしは医療のお仕事を辞めました。

実際に医療現場で6年間働いてみて気が付いたことは
自分には向いていないということと
医学の勉強は好きだけど、医療の仕事は嫌いだということでした。

医療職を離職した立場から語る本音

そんな理由からわたしは医療業界を離職したわけですが

  • これから医業のお仕事に就くか一般就職をするかどうか迷っている医療系の就活生
  • 働いたときのイメージがつかない医療系の学生
  • 医療の仕事を辞めたいが、同じ医療業界で転職するか、他職種へ転職するか迷っている方

このような方の判断の参考になれば幸いです。

わたしも大学生の頃は、近親者に医療従事者がおらず
実習に行くまで医療現場で働くことがまったく想像ができず不安でしたからね。
グロかったらどうしよう…とか、先生に本気で相談して呆れられたり。

のちのち、自分は実務で手術現場に入ったりもしたのですが
働くうえでネックになるのはそんな点ではありませんでした。
(むしろ手術室の仕事は好きだった)

念のため加えますが、他職種への転職を一概に勧めているわけではなくて、
あくまで自分に合っているかどうか、
ご自身のこれからの未来図と照らし合わせて考えてみて下さいね。

働いて気が付いた医療現場の現実と
イメージとのギャップ5つ

働いてみて実際に感じたのは

  • 感謝されるどころか、毎日キレられ怒鳴られ
    文句やワガママを言われる
  • 人のために良かれと思ってしたことで、普通に傷つく
  • 体液や菌に暴露される
  • 意味のない勉強や資格取得、学会への入会義務など
    お金を搾取するシステムがやたら多い
  • 向上心のある人より、むしろ「資格を取って人生上がり」気分の人が多い

このあたりでしょうか。

感謝されるどころか毎日キレられ怒鳴られ
文句やワガママを言われる

医療行為というと、「癒し」というイメージがありますが
必ずしも施術は心地よいものばかりではありません。

それどころか、針を刺したり、リハビリなどでしんどい動作をしたり、
健康の為に厳しい指導を受けたり、まずい薬を飲んだり、動きたいのに行動を制限されたりと
患者さんに苦痛や我慢を強いることの方が圧倒的に多い。

特に、治療に関しては体に針を刺したり薬を投与したりし、
それはしばしば痛みを伴います。
(医療用語では「侵襲的」といいます)

体に傷をつける、侵襲的な行為

医療行為とは、一歩間違うと傷害にもなりかねない紙一重の行為
針を刺す、メスを入れるなどは、いくら治療や検査のためとはいえ、他人の体に傷をつけることに変わりはありません。

どうしても技術も伴いますし
「今日の注射はなぜか全然痛くなかった」
「ベテランっぽいおばちゃんだったのに、いつもよりも超痛かった」というようなことは、おそらく経験がある方も多いのではないかと思いますが
痛い・痛くないは、ぶっちゃけ、医療従事者も予想しえない運的要素も多少はあります。
(でもまぁ、習熟しているほど痛くない確率は圧倒的に高いですけどね!)

自分の体がかかっているから、本気で怒鳴られる

たとえば飲食店で料理が出てくるのが遅いとか
頼んだものと違うものが出てきたくらいではそんなに実害ってそんなにないですが
医療行為は痛いし、一歩間違うと自分の体が傷つきます。

ですから、恐怖の度合いに比例して、患者さんの怒りはそれの比ではなく
たとえほんとうにミスったわけでなく「未遂」でも、本気で怒鳴られます。

意外と女性よりも男性のほうが痛みに弱かったり、血を見ることができない傾向があり、恐怖の裏返しで怒鳴ったりキレる人は多かったです。

経験則ではありますが、医療の仕事をしている仲間内では共通の見解で
女性は出産に耐えられるよう、痛みに強いのかね~なんて話していました。

患者を選べない

それから、日本は国民皆保険で誰でも医療機関を受診する権利がありますから
よほど高級なクリニックでもない限り、あらゆる人が来ます。

中には認知機能や自己抑制機能が落ちている方やモラルの低い人も来ますから
技術云々以前に、感情任せにとにかく理不尽に怒鳴るクレーマーもいます。

どの業界でもクレーマーはいると思いますが
特に、医療業界に関しては「医療従事者=なんでも優しく受け止めてくれる」という先入観を持った人は多いので
尚更赤ちゃんのようにわがままを言う人の割合は多いように思いました。

人のために良かれと思ってしたことで、普通に傷つく

また、わたしは経験はありませんが
一時の技術の未熟さゆえに、「あの病院/あんな人に、下手な施術をされた」と恨みを持たれることも少なくありません。

目の前で言われなかったとしても患者さんに愚痴られることが多かったですし
自分もきっとどこかで言われていたと思います。

愛想悪いとか言われてそう。笑

自分や家族の身になって考えても、痛くないに越したことはありませんが、
時にはどうしても痛みを伴う時もありますし、厳しいことも言わなければいけません。

人のためにと思って力を尽くして行った施術で恨まれるって
どうしようもないとはいえ、悲しいなと。

男尊女卑が根強い

また、患者さんには男尊女卑的な価値観を持ったお年寄りが多いため、
男性スタッフの方が秀でているようなフィルターを通して見られます。

わたしは男女比が3:7くらいのマイナーな技師をしていましたが

  • 男性=医師
  • 女性=看護師、助手

と思い込まれることがしばしばあり、
実際に同じ職種なのに男性の技師が登場すると態度が豹変して媚びだす患者さんがとても多かったです。
(毎度のことだし説明が面倒なので、いちいち説明はしませんが)

「いつも男の先生がやってくれてたけど、あなたがやるの?大丈夫?」と聞かれたり、
スキルレベルもさほど変わらない、同じ施術をしていたにも関わらず
「さっきの看護師さん(わたし)より、先生(男性スタッフ)の方が上手ね」とおばさんに言われたり。
当時は男性顔負けに上を目指して仕事していたので、本当に悔しかったです。
逆に、施術後に「若い女性なのにあんたやるねぇ!」って言ってもらえた時は嬉しかったですけれどね。

施術者も患者を選べたらいいのになぁ…という想いは
今のフリー業でブランディングを強く意識するきっかけにもなりました。

体液や菌に暴露される

汚い病院には誰も行きたくないでしょうから
清潔感は病院の必須要素ですし、消毒や滅菌などの環境は整っているので
おおむね安全で清潔な環境かとは思います。

しかし、働く側となると
血液や汗、唾液などの体液と接触することは日常茶飯事ですし
むしろそれが仕事。(手袋をしていますけれどね)

3K=きつい、汚い、給料安い

仕方のないことですし、自分もいずれそんな風にお世話になる可能性があるわけで非常に言いにくいのですが
お風呂に入れない状態の患者さんも少なくありませんから、フケやよだれ、ものすごい悪臭に暴露されたりすることも実際にあります。

そんな仕事をした後ではなんとなく自分も汚れたような気がしてしまって
アフター5で飲みに行ったりきれいな服を着るのはなんとなく嫌で、平日はあまり予定を入れなくなりました。

意味のない勉強や資格取得、学会への入会義務など
お金を搾取するシステムがやたら多い

医療従事者が普通のサラリーマンより給与水準が高いのは本当です。

基本給はさほど変わらないか、むしろ安いくらいなのですが
資格手当が支給されたり、夜勤や当直業務の手当があるためです。

「勉強してます」感を出すための出費

ですが、勉強や学会参加など、向上心を人質にして医療従事者の財布を囲い込むシステムがやたらと多く
半強制的に出ていくお金も多いです。

いざ参加すると「勉強しろ」とプレッシャーをかけるべく、煽るように学会誌が毎月送られてきて、これまた有料の勉強会や学術集会参加、試験受験を促す。

そして、職場から勉強しろ、資格を取れ、研究はしてないのかと煽られる。

これを拒否すると、
上司からは「やる気がない社員」として逆らう行為
同僚からは「裏切り者」扱いされて評価が大きく下がります。

これはどの業界も多少あるでしょうが
特に医療従事者の学会は年会費1万とかザラで高単価だったと感じます。
それも一つではなく、大体一人あたり3~4つの学会に所属している場合が多かったので、そうすると年会費だけで3万円とか。

向上心のある人より、むしろ「資格を取って人生上がり」気分の人が多い

上記の学会商法に囲い込まれて勉強した気にはなれど
実際の業務は毎日同じような単純作業です。

というのも、手術や治療などは別ですが
医師の煩雑な作業を低単価で代行するのが目的の末端の医療従事者(コメディカル)に、あまり難しい手技があっては困るのです。

医者気取りのセルフイメージ

しかし、国家資格を持っていて、MRや業者さんに 「先生」と呼ばれ
持ち上げられて実力以上にセルフイメージが高いコメディカルは多いし、
お恥ずかしいながら自分もそうでした。

なんなら、医者気取りのコメディカルもいますが
実際は持ち上げられているほうより、持ち上げている側の方が高給だったりしますからね。

ぜんぜん人生上がりではなく、むしろ
医療業界という狭い世界でしか生きてこなかった、潰しのきかない人材です。

なのに、「人生上がり」で思考停止していて
業界ごとそんな呑気な雰囲気に包まれているわけですから
ますます他業界の人材に差を付けられる一方。

わたしはこのことに危機感を抱いて転職したのですが
医療従事者からも、そうでない人からも、不思議なほど共感されませんでした。

休日は娯楽目的の旅行、飲み会でも患者さんの噂話ばかりで
本当の意味で勉強や投資をしている人は、すごく少なかった印象です。

ほんの一握りの頭の良い人しかなれないのか?

また、医療系の専門職は
「誰にでもなれる仕事じゃない」とよく言われます。

国家資格というと、すごく難しい崇高なイメージを持たれますが
医療系の国家資格は概して暗記です。

たしかに受験勉強は必要ですが、
合格定員が決まっているわけでもないですから誰かを蹴落とす必要もありませんし、面接や実技もありません(すべての職種がそうかはわかりませんがほとんどの職種はマークシート問題のみなはず)。

大学や専門学校へ入学するほうが狭き門ではないかなと思います。

外と中では見えるものが異なる

以上がわたしが実際に医療現場で働いていて感じた
医療の一般的なイメージとのギャップでした。

ネガティブなことも書きましたが、
あくまで医療職を辞めたわたしの主観です。

医療のお仕事は人の命を維持するうえで、
また、人生という幕を閉じる際にもなくてはならないものであることには変わりません。

どの業界も、イメージと中身のギャップは多少なりともあるとは思いますが
これから働く人や、良い意味での先入観しかない人には、少し知ってもらいたいなと思って正直に書きました。

なにごとも色んな視点から見るって大切なことと思いますので
あなたの判断基準の一つとして、何かの参考になれば幸いです。

記事のURLをコピーする
いいね! (まだ評価がありません)

先頭へ戻る